「……あー、ダメだ。もう無理」

 そう言うが早いか、俺は生徒会室の長テーブルに突っ伏した。
いや、頭を強打したと言った方がいいかもしれない。
かなり勢いよく倒れ込んだから。

「サボるな、リエート」

「いや、だって……」

「それはお前の始末書だろう」

 完全に反論を封じ込め、ニクスはチラリと壁際に視線を向ける。
そこには、俺の壊した長テーブル三つが……。

 リディアの件を聞いて動揺しちまって、力加減をミスったんだよな。
普段はこんなことしないのに……てか、

「三つのうち一つをやったのは、お前だからな!?俺は二つしか壊してねぇーよ!?」

 氷漬けにされた長テーブルを指さし、俺は『三つ全部、俺のせいにするな!』と抗議した。
が、ニクスは完全にどこ吹く風。
黙々と仕事を進めている。

「無視かよ、おい……!」

 『お前から話題を振ってきたくせに!』と叫び、俺は椅子の背もたれに寄り掛かった。
後頭部に手を回し、『相変わらず冷たい奴』と文句を垂らしていると、ニクスが顔を上げる。