「つまりはそういうこと。ま、話すタイミングがここしかないってのも事実だけど」

 『いっそ、全部ぶち撒けて楽になりたいし』と語り、ルーシーさんは腰に手を当てる。
と同時に、顎を反らした。

「とにかく、私はぜーーーったい話すからね。これは決定事項。いい?」

「……はい」

「声が小さい」

「は、はい」

 ピンと背筋を伸ばして、私は大きく頷いた。
注意されたのは声量なのに、つい首を振る動作も大きくしてしまう。
そんな私を見て、ルーシーさんとレーヴェン殿下はプッと吹き出した。

「本当に素直だよね、リディアって」

「こうも従順だと、少し意地悪したくなるね」

 などと言いながら、二人は私の頭を撫でる。
扱いが完全に子供だが、あまりにも楽しそうなので何も言えなかった。
『悪い気はしないからいいか』と考える中、外から爆発音のようなものが鳴り響く。