「今、一人にしたら絶対悪い方向に考えるじゃん!貴方、自分のことに対してはシビアというか容赦ないんだから!他人にはゲロ甘のくせに!」

「えっ?いや、そんなことは……」

「ある!異論は認めない!」

 『反論したら、このほっぺ引きちぎるよ!』と言い、ルーシー嬢はリディア嬢の頬を引っ張った。
病人が相手でもお構いなしの彼女は、『バカ!あんぽんたん!マヌケ!』と子供のような悪口を吐く。

「いい!?私は何があろうと、貴方の友人!辛い時こそ傍に居るし、支えるから!」

「ルーシーさん……」

 感激したように目を潤ませ、リディア嬢は口元に手を当てた。
感謝と尊敬の籠った眼差しを向ける彼女の前で、ルーシー嬢は少し頬を赤くする。
今更ながら照れ臭くなってきたのか、リディア嬢の頬から手を離し、椅子に座り直した。
かと思えば、わざとらしく咳払いして背筋を伸ばす。