まあ、普通は違和感を抱くよね。
私も同じ立場なら、探りを入れた筈だ。

 『ここまで直球ではないけど』と肩を竦め、傍にあった丸椅子へ腰掛けた。
ルーシー嬢もこの場に残るつもりなのか、壁際から椅子を引っ張ってくる。

「それで、どうなんですか?」

 ベッドを挟んだ向かい側に腰を下ろし、ルーシー嬢は語気を強めた。
『絶対に全部聞き出してやる』と意気込む彼女の前で、私は苦笑する。

「そんなに問い質さなくても、ちゃんと説明するよ。リディア嬢が目を覚ましてからね」

「────あの、私がどうかしましたか?」

 控えめに声を上げ、私とルーシー嬢を交互に見るのは────間違いなく、リディア嬢だった。
どうやら、今しがた目を覚ましたらしい。
困惑気味に視線をさまよわせる彼女に、私とルーシー嬢は経緯を説明した。
すると、リディア嬢の顔色はどんどん悪くなっていく。
恐らく、倒れる前の記憶を思い出したのだろう。