様々な要素を並べ立て、悶々とする私はじっと手を見つめる。
『どう考えても貰いすぎだよなぁ』と考える中、ふとフィリアの手が目に入った。
その瞬間、あることを思いつく。

「────フィリアの手の怪我、治療してもいいですか?」

「えっ?」

「元はと言えば、妖精結晶を欲した私のせいだし……それくらい、させてください。そしたら、気兼ねなく妖精結晶を受け取れます」

 『ちゃんとアフターケアはした、と考えられるので』と言い、ギフトの力を解放した。
まずは凝血した患部を浄化で綺麗にし、続いて治癒を施す。
見る見るうちに塞がっていく傷口を前に、フィリアは『まあ……』と声を漏らした。

「『光の乙女』の能力って、本当に凄いわね」

 微かに光る患部へ顔を近づけ、フィリアはゆるりと口角を上げる。
『興味深い』と言わんばかりの反応を示す彼女の前で、私はスッと目を細めた。