「出来ることなら手助けしてやりたいが、聖女候補殿の話を聞く限り静観するのが一番だと思われる」

「だから基本ノータッチを貫くが、何か力になれることがあれば言ってくれ」

「もちろん、遠慮はナシよ?私達は気を使われるより、頼られる方が嬉しいんだから」

 朗らかに微笑む母は、『いつでも連絡してきなさい』と言い聞かせる。
ちゃんと頼れる存在が居るんだよ、と示すように。
人一倍責任感の強いメンバーが揃ってしまったため、子供達だけで抱え込まないか心配なのだろう。
気遣わしげな視線をこちらに向ける母の横で、アレン小公爵は再度席に着く。

「まあ、これで報告っつーか話は終わり。結界、もう解いてもいいぞ」

 『ありがとな』と言って笑うアレン小公爵に、私は一つ頷いた。
パンッと手を叩いて結界を解除し、少しだけ肩の力を抜く。
────と、ここでルーシーさんが席を立った。