「じゃあ、僕達も席に着こう」

 という兄の発言により、私達も近くの椅子に腰を下ろす。
これで全員着席した訳だが……一体、何が始まるのだろうか。
『やっぱり、アレ関係かな?』と首を傾げる中、父とアレン小公爵が互いに頷き合った。
かと思えば、おもむろに席を立つ。

「これは後ほどレーヴェン殿下にもお伝えするが」

 そう前置きしてから、父はこちらを……いや、ルーシーさんを見た。

「聖女候補殿より承った、アイテムの収集及び四天王の討伐────全て完了した」

「急かす訳じゃないが、あとはお前達の分だけってことになる」

「「!!」」

 想定より遥かに早い進捗具合に、私とルーシーさんは衝撃を受けた。
兄やリエート卿はもう既に知らされていたのか、あまり驚いた様子はない。
ただ、やはり表情は硬かった。
魔王との戦いがより現実味を帯びてきて、不安と緊張に苛まれているのかもしれない。