「そ、そんな……!?」

 行く手を阻む氷に縋り付き、学園長は青ざめた。
ヘナヘナと座り込む彼を前に、僕は

「リディアの転移を邪魔した報いだ」

 と、冷たく言い放つ。
あのとき無事転移できていたら……リディアは怖い思いをせずに済んだだろうから。
目の前でゲートが消えた光景を思い返し、僕は眉間に皺を寄せた。

「逃げるなんて、出来ると思うな」

「ひっ……!」

 学園長は涙目になりながら後退り、怯えた表情を浮かべる。
もはや顔を見るのも怖いのか、ずっと下を向いていた。

「す、すみません……!お願いします!見逃してください!」