『他の人に見られる前に隠蔽工作して良かった』と考える中、兄が眉間に皺を寄せる。
「礼はいらん。そもそも、お前を守れなかった僕の落ち度だ」
「それを言うなら、俺だって……!」
『事の発端は俺のワガママだし!』と言い、リエート卿は勢いよく席を立った。
過去の行いを悔やんでいるのか、クシャリと顔を歪める。
すると、レーヴェン殿下が困ったように眉尻を下げた。
「まあまあ、今回の失態は次回へ活かせばいい。一番の被害者であるルーシー嬢が君達を責めていないのだから、あまり気に病まない方がいいよ」
『逆に彼女の負担になる』と言って、レーヴェン殿下は二人を宥める。
『責任感が強いのはいいことだけどね』と述べる彼を他所に、私はルーシーさんへ向き直った。
「とにかく、ご無事で何よりです」
「う、うん……おかげさまで。ありがとね」
おずおずと顔を上げたルーシーさんは、照れながらお礼を言う。
涙で潤んだ瞳をこちらに向けつつ、チョンチョンと人差し指同士をくっつけた。
「礼はいらん。そもそも、お前を守れなかった僕の落ち度だ」
「それを言うなら、俺だって……!」
『事の発端は俺のワガママだし!』と言い、リエート卿は勢いよく席を立った。
過去の行いを悔やんでいるのか、クシャリと顔を歪める。
すると、レーヴェン殿下が困ったように眉尻を下げた。
「まあまあ、今回の失態は次回へ活かせばいい。一番の被害者であるルーシー嬢が君達を責めていないのだから、あまり気に病まない方がいいよ」
『逆に彼女の負担になる』と言って、レーヴェン殿下は二人を宥める。
『責任感が強いのはいいことだけどね』と述べる彼を他所に、私はルーシーさんへ向き直った。
「とにかく、ご無事で何よりです」
「う、うん……おかげさまで。ありがとね」
おずおずと顔を上げたルーシーさんは、照れながらお礼を言う。
涙で潤んだ瞳をこちらに向けつつ、チョンチョンと人差し指同士をくっつけた。