『あれ?このステップって、こんな感じだったっけ?』と考える中、レーヴェン殿下が口を開く。
「ねぇ、君もギフト複数持ちなんだよね?」
「えっ?あっ、はい」
『念のための確認』といった意味合いで尋ねてきたレーヴェン殿下に、私は首を縦に振った。
すると、彼はアメジストの瞳をスッと細める。
「じゃあ、そのギフトを使ってやりたい事はあるかい?」
ギフトの内容を探るためか、それとも単純に興味を持ったのか……レーヴェン殿下はそう尋ねてきた。
どことなく違和感のある質問にパチパチと瞬きを繰り返していると、彼が言葉を付け足す。
「そんなに難しく、考えなくていいよ。君の夢や野望を答えてくれればいい」
「夢や野望……」
二度目の人生でも、前世でも目の前のことに精一杯で将来のことなど一切考えてなかった。
グレンジャー公爵家の面々と和解する前までは、『ここを出ていこう』と決意していたが……それだって、具体的な人生プランがあった訳じゃなかったし。
だから、やりたいことなんて────
「────特にありませんわね」
困ったように眉尻を下げながら、私は率直に答えた。
「ねぇ、君もギフト複数持ちなんだよね?」
「えっ?あっ、はい」
『念のための確認』といった意味合いで尋ねてきたレーヴェン殿下に、私は首を縦に振った。
すると、彼はアメジストの瞳をスッと細める。
「じゃあ、そのギフトを使ってやりたい事はあるかい?」
ギフトの内容を探るためか、それとも単純に興味を持ったのか……レーヴェン殿下はそう尋ねてきた。
どことなく違和感のある質問にパチパチと瞬きを繰り返していると、彼が言葉を付け足す。
「そんなに難しく、考えなくていいよ。君の夢や野望を答えてくれればいい」
「夢や野望……」
二度目の人生でも、前世でも目の前のことに精一杯で将来のことなど一切考えてなかった。
グレンジャー公爵家の面々と和解する前までは、『ここを出ていこう』と決意していたが……それだって、具体的な人生プランがあった訳じゃなかったし。
だから、やりたいことなんて────
「────特にありませんわね」
困ったように眉尻を下げながら、私は率直に答えた。