俐月くんの指先が、そっとわたしの耳たぶに触れる。


やっぱりくすぐったいし、それに体勢も変えてくれない。


恥ずかしくて下を向こうとしても、目の前に俐月くんがいるからできないし。


だから、目をつぶろうとしたら……それを読まれてしまったのか。


「俺から目そらすなよ」


身体に電気が走ったみたいにピリッとした。

本能が甘い命令に反応してるの?


「う……あっ、無理……なのに」

「んじゃ、俺に首噛まれるのとどっちがいい?」


「えっ……」

「手加減とかしねーよ」


俐月くんの瞳が本気だ……。

でも、どっちも痛そう……。


だけど、俐月くんの甘い攻撃はこれだけじゃない。


「ちゃーんとできたら褒めてやる」

「っ……」


身体がゾクッとした瞬間、耳元で音がした。