「霞見くんは、椎波さんに対して無理強いをしないこと。いくら最良の関係だからといっても、なんでも許されるわけじゃないことは、常に覚えておくこと。椎波さんも、もし霞見くんにされて嫌なことがあれば、はっきり断ることが大切よ」



まだ出会ったばかりで、俐月くんのことは何も知らないに等しいかもしれないけど……俐月くんは、わたしが嫌がることはしない気がする。



はじめて出会ったとき、俐月くんはわたしが服従者だってことに気づいていた。


そこで利用することもできたのに、俐月くんはしなかった。


本当に悪い人だったら、簡単に本性を見せる気がするし。


「それと、あなたたちにはこれを渡すから必ずつけるようにしてね」