「そうねえ……まあ、だいぶ気が済んだから、許してあげるわ……おめでとうなんて、言わないわよ。貴方がちゃんとしないから、私はほんっとうに嫌な思いをしたんだからね」

 余裕の表情のオフィーリア様は険しい表情をしていたジョサイアに目を向けて、微笑んで言った。

「それは、確かに悪かったと、思っています。ですが、幼い頃から婚約していた政略結婚なので、僕の一存では……」

 ジョサイアの言葉を遮るように、オフィーリア様は右手をかざした。

「別に、そんな言い訳なんて聞きたくないわよ……けど、ちゃんと言えたのね。ジョサイア。貴方は意気地無しだから、一生何も言えないままで終わるのかと思ったわ」

「ありがとうございます……こうして、レニエラと結婚することが出来たのも、オフィーリアのおかげです」

 そんな風にお礼を言いながらも、ジョサイアが不本意な表情を隠さない。

「え……あの、オフィーリア様?」

 ここまでの二人の話の意味がわからなくて、困惑した私を見てオフィーリア様は肩を竦めた。