もしかして、自慢気な顔したのバレた? と思ったら、前を見るとテントの中に数人のおばさんたちにまざって、わたあめを作るアキさんがいた。

「アキさん」
「あら、こんばんは、優希ちゃん、水色の浴衣可愛いわね」

 私が声をかけるとアキさんはニコッと笑って、私の浴衣を褒めてくれた。

「へへっ、ありがとうございます」

 照れくさくて、もじもじしてしまう。

「蒼空もちゃんと可愛いって言ってあげたの?」
「言ってない」

 アキさんの問いに佐々木くんはあっさりと答えた。

 答えるまでに一秒もなかった気がするんですけどっ?

「ちょっと言いなさいよ、あんた! こんなに可愛いのに……、ごめんねぇ、優希ちゃん。これあげるから許してね」

 ほんとうに申し訳なさそうな表情でアキさんが私にピンク色のわたあめを差し出す。

「いえ、あ、えっと、いいんですか?」

 別に佐々木くんに可愛いって言ってもらえなくてもいいんだけどなぁ、とは思ってるけど、私も佐々木くんに甚平かっこいいね、って言えてないし。

「いいのいいの、蒼空と仲良くしてくれてありがとう。あと、詩のことも、ありがとう」

 アキさんの言葉から、ちゃんと詩ちゃん見つかったんだな、って私は思った。

 お墓参り、いつか行けたら……って望んじゃダメかな?

「こちらこそ、ありがとうございます」

 お礼を言いながら私はアキさんの手からわたあめを受け取った。

「アキちゃん、親戚の子?」

 私とアキさんの会話が終わるのを待ってたのか、急にアキさんのうしろから一人のおばさんが顔を出した。

 ちょっとふっくらとした女の人で、赤いシンプルなエプロンをしてる。