「そうみたいだな。――守りに行くのか?」
後半の佐々木くんの言葉は私に向けられたものじゃないって思った。
なんで分かったのかって?
急に私の背中がふっと軽くなったから。
狛犬さん、私から離れていったんだなって。
「あのお兄さん、悪いことしてるの?」
前回のことを思い出して、私は心配になってしまった。
いま、佐々木くんは「守りに行くのか?」って言った。
もしかして、あのお兄さん、本当は犬や猫のために募金を集めてるんじゃなくて、自分のために集めてたり、犬や猫のこといじめてたりするんじゃないよね? って思ってしまう。
狛犬さんはいじめから動物たちを守ろうとしてる?
そう思ったのに、佐々木くんの答えは違っていた。
「いいや、いい人だと思う。じゃなきゃあんなに動物の霊に好かれてない」
佐々木くん、いま、どんな顔してるのかな?
ちょっと優しい声してる。
「好かれてる?」
「あの人の背中は猫とか犬とかの霊で壁みたいになってる。みんな、あの人に救われて幸せに命を終えていったんだろうな。とてもおだやかだ」
私が尋ねると、佐々木くんは優しい声のままで答えてくれた。
そして、続ける。
後半の佐々木くんの言葉は私に向けられたものじゃないって思った。
なんで分かったのかって?
急に私の背中がふっと軽くなったから。
狛犬さん、私から離れていったんだなって。
「あのお兄さん、悪いことしてるの?」
前回のことを思い出して、私は心配になってしまった。
いま、佐々木くんは「守りに行くのか?」って言った。
もしかして、あのお兄さん、本当は犬や猫のために募金を集めてるんじゃなくて、自分のために集めてたり、犬や猫のこといじめてたりするんじゃないよね? って思ってしまう。
狛犬さんはいじめから動物たちを守ろうとしてる?
そう思ったのに、佐々木くんの答えは違っていた。
「いいや、いい人だと思う。じゃなきゃあんなに動物の霊に好かれてない」
佐々木くん、いま、どんな顔してるのかな?
ちょっと優しい声してる。
「好かれてる?」
「あの人の背中は猫とか犬とかの霊で壁みたいになってる。みんな、あの人に救われて幸せに命を終えていったんだろうな。とてもおだやかだ」
私が尋ねると、佐々木くんは優しい声のままで答えてくれた。
そして、続ける。