ダメかも、って思ったけど

「ちょっと待ってて」

 と言って、少ししてから玄関の扉を開けてくれた。

「歓迎するわ、あの子には普通の生活をしてほしいから」

 現れたのは男の人だったけど、女の人みたいなしゃべり方をする綺麗な人で、茶色の髪は肩より長い。

 私はちょっとびっくりした表情で男の人のことを見てしまった。もっと嫌な顔をされて追い返されるかと思ってたから。

「大丈夫、緊張しないで。アタシのことはアキさんって呼んで」

 一つウインクをして、綺麗な男の人……アキさんは私を家の中に招き入れた。

「蒼空ー、お友達の女の子が来てるわよ? 降りて来て」

 私はリビングに通されて、その横にある階段から上に向かってアキさんが声をかける。上の部屋に佐々木くんは居るらしい。

 ちゃんと降りて来てくれるかな? 急に来ちゃったし、私のこと知らないだろうし、不登校ってことは人が嫌いなのかもしれないし……。

 私は椅子に座りながら心配になった。