私も同じように足を止めて、家のほうを見てみる。

 真っ白な壁に茶色の屋根の大きなお家。

 名前のところには、まだ学校では習ってない漢字が書いてあって私には読めなかった。

「誰の家?」

 本当にわからないから、また質問。

 佐々木くんの知ってる人の家?

 いや、でも、霊視ってやつで道を見て来たんだよね?

 私がひとり頭をごちゃごちゃさせてると、佐々木くんは静かに口を開いた。

「女の人が結婚しようとしてた人の家」

 って。

 それから、全然、どうしようかなって気持ちを見せずに佐々木くんはインターホンのボタンを押した。

 ピンポーンっていう音がする。

 私は、あ、押しちゃうんだ? って思った。

「……はい」

 少ししてからインターホンの向こうから男の人の声が聞こえてくる。

 大人だけど若い人の声。

 カメラがついてるから、佐々木くんと私の姿は向こうには見えているはずだ。

 小学生がなんの用だろう? とか思われないかな?