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「これが正解とは思わないけど、これしか君の友人を救う方法が見つからない」

 おばあさんが去ってからしばらくして、佐々木くんはそう言いながら、どこかに向かって歩き出した。

 大通りから離れて、静かな住宅街を行くみたいだ。

「ねぇ、どこに行くの? どうするの?」

 スタスタと歩く佐々木くんを小走りで追いかけると、私のランドセルの中の色鉛筆がガチャガチャと音を立てた。

「君は少し質問が多い」

 手に持った指輪を指でいじりながら佐々木くんが言う。

「だって、わからないんだもん」

 ぜんぶ佐々木くんだけがわかってるみたい。

 私は思わず唇をとがらせた。

「はあ……。――僕はいま、霊視をしてるんだ」

 横に並んだ私の顔を見て、また深い、それはそれは深い溜息を吐いて、佐々木くんはぼそりと言った。

 それから「ああ、霊視ってなに? って、どうせ聞くんだろう? 幽霊を通してものを見てるってこと」と付け足した。

 ちょっと嫌な感じ。

 たしかに霊視って言葉、私にはわからなかったけど。

「なにが見えるの?」