「入学式以来ずっと不登校になってるこのクラスの佐々木くんって、幽霊が見えるらしいよ?」
放課後、私たち以外誰も居ない五年三組の教室で、友達の綾ちゃんが言った。
彼女の視線は窓際の一番後ろの席に向けられている。
その席はたしかに、私がこのクラスになってから、ずっと誰も座っていない。
「ええ? なにそれ? それだけ? 全然怖くないじゃん」
そう笑いながら言ったのは紗菜ちゃん。
私も「怖くないね」と一緒に笑い、「えー、面白い噂だと思ったんだけどなぁ」と綾ちゃんは照れ臭そうにはにかんで笑った。
私たちの笑い声で静かな教室が少し騒がしくなる。
今日は親友の紗菜ちゃんが放課後に怖い話をしよう、って私と綾ちゃんを誘ってくれたんだ。
それで、私たちは誰も居なくなった自分たちの教室で机を三角形にして怖い話を一つずつ発表することになった。
私がトップバッターだったけど、特に面白い怖い話は出来なくて、真夜中の学校でピアノが勝手に鳴るってどこにでもあるような話をして、綾ちゃんの番と同じように三人で笑った。
そして、最後は紗菜ちゃんだ。
「じゃあ、私の番ね? これは六年生の真理ちゃんに聞いた話なんだけど……」
声を少し低くして話し始める。
放課後、私たち以外誰も居ない五年三組の教室で、友達の綾ちゃんが言った。
彼女の視線は窓際の一番後ろの席に向けられている。
その席はたしかに、私がこのクラスになってから、ずっと誰も座っていない。
「ええ? なにそれ? それだけ? 全然怖くないじゃん」
そう笑いながら言ったのは紗菜ちゃん。
私も「怖くないね」と一緒に笑い、「えー、面白い噂だと思ったんだけどなぁ」と綾ちゃんは照れ臭そうにはにかんで笑った。
私たちの笑い声で静かな教室が少し騒がしくなる。
今日は親友の紗菜ちゃんが放課後に怖い話をしよう、って私と綾ちゃんを誘ってくれたんだ。
それで、私たちは誰も居なくなった自分たちの教室で机を三角形にして怖い話を一つずつ発表することになった。
私がトップバッターだったけど、特に面白い怖い話は出来なくて、真夜中の学校でピアノが勝手に鳴るってどこにでもあるような話をして、綾ちゃんの番と同じように三人で笑った。
そして、最後は紗菜ちゃんだ。
「じゃあ、私の番ね? これは六年生の真理ちゃんに聞いた話なんだけど……」
声を少し低くして話し始める。