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八歳の頃、頭だけが二つに分かれた蛇の写真を図鑑か何かで見たことがある。

その写真を指で撫でながら、双子の兄──月臣は、わたしに向かって静かに微笑み、こう言った。


「おれとすいだね」


双頭蛇と同じなんて気味が悪かったけれど、月臣が言うのならそれは正しいことだから、わたしは迷いなく頷いた。




例えば、雨が降ったとき、不機嫌な彼の周りにいる人たちを気の毒に思う。

例えば、美味しいものを食べたとき、月臣も絶対に気に入るだろうから、早く伝えなければと思う。

そういう風に、月臣とわたしは一心同体だった。

きっと、生まれる前から。