陸が たった一言 好きって言ってくれるだけで


さっき あたしが見たモノも、胸にあるこの不安もすぐに消えるはず。



「……お願いだから言って?」



顔を上げ、陸の目を黙って見つめた。


「…………」


けど、陸はなんにも言ってくれない。


「なんで…なにも言ってくれないの?」


「お前、なんかヘンだぞ」


「あたしをヘンにしてるのは陸でしょ!こっちにちょっと来て」



───バタンッ…



陸の手を引っ張り、自分の部屋の中に招き寄せドアを閉めた。


「なんのつもりだよ」


「今から陸とキスするだけ…」


「バッ、バカなこと言うな!」


「バカでもいいから……陸とキスしたいんだもん」