少し背のびをして自分よりも10センチ程背が高いさっちゃんの耳もとでヒミツの話を……ごにょごにょ。



この時、あたしは全然気がついてなかった。


自分の肩に誰かの手が置かれていたことを──・・・



はぁ……言っちゃった。


あたしは、さっちゃんに陸がキスできないと言ったことを耳元で話した。


そして、上げていた踵(かかと)をゆっくり地面に着地させると



「うわ~信じらんねぇ。陸先輩のヤツ、できないとか言うなんて!」



急に低い声が聞こえてきた。