【 陸:side 】 我慢の糸がプツンと切れ、無我夢中で愛理の唇にキスをする。 どしゃぶりの雨も吹き荒れる風の音も、今の俺の耳には全然聞こえない。 もう俺の頭の中は…愛理のことだけ。 ───ずっと…ずっと… こう…したかったのは俺の方だ。 「……ぁっ…」 ときどき愛理が息苦しそうな声をもらす。 けど、離してやれない。 もっと強く柔らかい唇に自分の唇を重ね、本能のままに…ただ口づけを交わし続けた。