「じゃあ、はっきり言います。愛理先輩は陸先輩みたいに…否定していませんでした」


「なんだよ…それ」


「私…見たんです。愛理先輩が藤咲くんに告白されてるところを。“オレのことも考えてくださいね”って彼に言われた時…愛理先輩はなにも言わなかったですよ」


「デタラメ言うな」


「ウソじゃありません。私だったら陸先輩だけを……」


「俺に触んなっ!」


俺の腕を急に掴もうとしてきた小野寺に睨みをきかせる。


「それともうこれ以上…俺と愛理に関わるな!」


「陸先輩!待って下さいっ」


コイツが言ってることなんて、ウソに決まってる。


そう思いながら…教室へ向っていると


「…………!」


「陸先輩……」


俺を見て視線を逸らすアイツと…



───その隣に藤咲がいた。