なんで こうなっちゃうの?
涙がずっと止まらない。
真っ暗で静かな部屋の中…布団の中に入ってからもずっと口元に手を当てて
隣の部屋で寝ている陸に声が漏れないようにし
もう片方の手を伸ばして、陸とあたしの邪魔をする…白い壁に触れた。
この薄い壁の向こうに、ベッドがあって…大好きな陸がいる。
そう思うだけで、指先が温かく感じて 直接 陸に触れているみたいに感じた。
こんなに近くにいるのに
どうしようもないくらい…好きなのに
どうして気持ちはすれ違うの?
陸のこと…そしてカスミちゃんのこと。
それから藤咲くんに言われた…言葉。
いろんなことが頭の中で複雑に絡みあっていき
長い夜は時間をかけて静かに過ぎていった。