「あっ! 百合! こっちこっち!!」



そこには、亜萌ちゃんが大きく手を振って、私を呼び寄せる姿があったので、私はパタパタと急いで階段を下りる。



「亜萌ちゃん、なぁに? ……って、わわわっ……!!」



私は思わず、大きく後ずさる。



だって、だって、亜萌ちゃんの隣にいたのは、私の知らない男子1名。



背が高くてスラッとしてて、白い肌に黒髪で、顔は芸能人級にかっこいい、イケメンさんだ。



こ、こんなに目立つ人、うちの学校に居たっけ!!?



無言で、じーっと私を見ている彼。



亜萌ちゃんはハツラツとした様子で、早速、傍らの男子の紹介をする。



「この人は、隣のクラスの円城 真雪《えんじょう まゆき》くんでーす!!」



私は、その名前に聞き覚えがあった。



「円城……? ってもしかして……、大型ショッピングモールを日本だけでなく海外まで展開しているあの円城グループで、御曹司の!?」