顔を俯かせた私を見て、亜萌ちゃんは何かおもいついたようにポンッと手を叩く。



「そうだ! 引っ込み思案な百合の為に、私が一肌脱いであげるっ!」



「……、へ?? そ、それはありがたいけど、一体どんなこと??」



急にテンションが高くなった亜萌ちゃんの様子を見て、期待より、不安の方が大きくなる私。



「ふんふ~ん♪ それは明日のお楽しみ!」



亜萌ちゃんはスマホを鞄から取り出して、なにやら文字を打っている。



……もしかして誰かにメールを送るのかな?



覗き見するのも悪いと思った私は、今ハマっている恋愛小説の続きを読むことにし、彼女の方を見ないようにした。



ーー次の日。



朝。登校しようして玄関でローファーに履き替えていると、鞄の中でスマホが震えていることに気が付いた。



送り主は、亜萌ちゃん。



【学校の非常口階段前で、待ってるから!】



……非常口階段? 一体何の用事だろう……?



頭にハテナマークを浮かばせながら、学校へ登校し、指定された場所へ向かった私。