「悪魔が、人に恋しちゃいけないっていうルールはないんでしょ?」



「……うん」



「なら、いいじゃん。私、百合にカレシ出来たら嬉しいな~。恋バナもしてみたいし。あ、あとダブルデートとかさ!」



「……うん。分かってる、分かってるけど……」



「何か他に問題でもあるの? あ、もしかしてどうやってスタートさせるか困っているとか?」



亜萌ちゃんに図星を指されて、ビクッと大きく肩が跳ねる私。



恥ずかしさで、ついでに顔も赤くなる。



「え、本当に? 百合、そうなの?」



目を見開いて何度も確認してくる、亜萌ちゃんに対して、私はコクコクと頷いた。



「う~ん、そっかぁ。確かに、百合、実際に男避けまくってるもんね~」



「亜萌ちゃん。私、恋には正直、憧れてるよっ……。恋愛小説とか素敵だもん。でも……、現実では怖いというかっ……」