そう思いついた途端、私は居ても立っても居られず、ベットから起き上がる。
窓の内鍵を解いて開けると、暖かな風が頬を撫でた。
私は、バサリと黒い翼を広げ、大空に向かって勢いよく飛び立ったのであったーー。
1時限目が終了した合図の、チャイムが鳴る。
私は、今、保健室にいた、というより、保健室に隠れていた。
一応学校に着いたのはいいものの、他の生徒の目が気になり、真雪くんのクラスに行く勇気がなかった為だ。
私は養護教諭の女の先生に、頭が痛いと訴えると素直にベットに寝かせてくれた。
これからどうしよう……、と私はベットの上で考えているとーー。
ーーガラガラッ。
「あら? 円城くん、珍しいわね。どうしたの?」
先生の言葉に、驚きのあまり、心臓が飛び出そうになった。
「あー……、少し具合が悪くて。少しの間、ベット借りていいですか?」
それは、紛れもなく、真雪くんの声。
「いいわよ。あ、でもひとり女の子が寝てるから静かにね」
「わかりました」
私の周りはカーテンで仕切られているから、真雪くんには気づかれていない。