ーside真雪ー



休み明けの月曜日。



今日は気持ちとは裏腹に、雲一つない晴天だった。



俺は廊下で今日こそ百合が登校してくるんじゃないかと、待ち構えていた。



けれど……。



ーーキーンコーンカーンコーン。



チャイムの音と共にやって来たのは百合のクラスの担任。



「おはよう~! 全員席に着け~、……っと、今日も一期が休みか」



俺は、廊下側の窓からそっと百合の机を見て、心の中でため息をつく。



百合が学校に来なくなって1週間が経った。



「ねぇ、最近ずっとだよね~、一期さん」



「あぁ、肺炎になっちゃって入院したって聞いたよ?」



「かわいそ~、早く元気になって欲しい」



女子たちが、ちょっと心配そうな様子で会話しているのが耳に入る。



百合は、無自覚だけど優しいから、同性にも人気があったんだなと最近知った。



「あら? 円城くん、もうチャイム鳴ったわよ。早く自分の教室へ戻りなさい」



ボーッとしている俺に気づいて、たまたますれ違った若い女の先生がそう言う。



「はい。わかりました」