「いいのか?」
「はい! 私の家族も動物好きなので、きっとオーケーしてもらえると思うんです」
「フッ、じゃあよろしく頼む」
「了解です! ……ところでこの子の名前は?」
「いや、まだつけてない」
「それじゃあ……、ユキちゃんとかどうですか? 真雪くんが最初に見つけてくれたので……、あとこの子真っ白だし覚えやすいと思います!」
「ユキか、悪くないな」
「えへへ……」
真雪くんに褒められて、私はちょっぴり照れてしまう。
ーーそして、非常階段をあとにして、授業を受け、放課後になった。
私は、昇降口から裏庭に向かおうとしたんだけれど……、案の定、外は雨が降り始めている。
傘を忘れた私が、困って立ち尽くしていると。
「傘、ないなら入ってくか?」
「真雪くん!? えっ……、でも」
「俺、女と相合傘するのは嫌なタチだけど、百合とならいい」
ほんのり耳を赤くして、真雪くんはそう言った。
私は、胸がキュンと締め付けられる。
結果、お言葉に甘えて、真雪くんと一緒の傘に入れてもらうことに。