朝。いつも通り学校へ行き、午前の授業が終わったあと。
私は真雪くんに合うべく、非常階段に向かう廊下を歩いていた。
すると、廊下の端っこで他のクラスの男子たち3、4人がたむろしているのが視界に入る。
私がその横を通り過ぎようとするとーー。
「な~、悪魔って本当にいると思う?」
「いるわけねぇじゃん。でも見つけたら、10万もらえるってのはマジみたいだぜ」
「そんなら、俺、試しに本気で悪魔、探しちゃおっかな♪」
ドキン、ドキンと心臓の鼓動がうるさい。
私は足早にーー、その場から離れた。
「ふぅ、びっくりしたっ……。今度からは動揺しないように気を付けないとっ……」
非常階段の扉を開けて、外に出る。
暖かな風が、そよそよと私の髪を優しく撫でた。
真雪くんは、まだ来ていなかったので、私ひとり階段に座り、お弁当箱の包みを広げる。
ーーにゃーお。
え、今、猫の鳴き声したよね……?
私は思わず立ち上がり、周りをキョロキョロする。