ふいに私にそう伝えてきたのは、クラスでも大人しい方の女の子。



「一期さんのこと、裏庭で待ってるって……、私、言ったから、それじゃ……」



ーー私は、胸がザワザワしたまま指定された場所へ向かった。



「あんたが、一期さん?」



「は、はい」



私の目の前には、綺麗な3人の女の子が立ちはだかっている。



「ふ~ん、最近、円城くんと一緒にいるの、チラチラ見かけるけど、一体どういう関係?」



「そ、それは……」



「さっさと言えよ! 円城くんをたぶらかしたんだろ!?」



怖くて、震えてることしかできない。



だ、誰かーー……。



「おい、暴言を吐くのも、そこまでだ。俺の言う事が理解できたならーー、さっさと消えろ」



私を庇うように、目の前にうつったのは、紛れもなく真雪くんだった。



女の子3人は、バツが悪そうな顔であっさり去って行く。



「百合、怪我してないか!?」



「うん、真雪くんがすぐに来てくれたから平気っ……」



暫く私と真雪くんは、お互いの存在を確かめるように、抱き合っていた。



そしてーー、自分の心の奥底に芽生えたものを、しっかり自覚しながら。