でも、私から伝えたかったから............
（自分で伝えられて良かった............っ、）
心の中でそう思いながら、
そっと、羽野さんの口から手を離すと。
それと同時に...........................
「ふっ。仲道さんって、
ほんと、自分に自信ないんですね」
にこやかに笑ってそう言う羽野さん。
そして..............................
「む、昔から、なんです、」
〝羽野さんが知らない私〟を伝えると。
「それはもう、知ってます。
智弘と松下さんからも聞いてます」
「............ぅ、あ、そう、ですか、」
知らない私を伝えたのに、
もう、すでに知ってるのは想定外。
