そういえば…

ふと、渡された茶封筒を思い出し開けてみると


真矢ちゃん、少ないけど一ヶ月よろしく


走り書きのように書かれたメモ帳と
10万円が入っていた。


10万も…もらっていいんだろうか…

どうしよう。


なんて考えてる間もなく


電話が鳴っているけれど…


「もしもし?」

「真矢ちゃん、今日もおいしかったよー
この感動を伝えたくて仕事終わるまで
電話待てなかったー」


感動って…すごく大袈裟だけど…

そうだ、それよりも


「あの、このお金…」


と言いかけたところで


「安くてごめんね。足りなさそう?」

「いや、あの多すぎて…」

「多すぎる事はないでしょ。もしマイナスになるような事があったらすぐ言ってね」

「違うくて…こんなもらえませんよ」

「もらってくれないと俺が困るしー
来週もよろしくね。
あ、また仕事終わったら電話するね」

「え、あ…」

一方的に切られたし…

ほんとにいいのかなぁ…

私の作るお弁当にそんな価値ないような気もするんだけど…

こうなったら、最高のお弁当を作るしかない。

よーしっ、一ヶ月とことんやってやろう。