「…渉、赤ちゃんできた…」


検査薬を片手に呆然とそんな事を言う私に


「や、やったー!!」


凄い勢いで跳び跳ねている渉。


「真矢ちゃん、結婚しよ?」


「へ…!?」


私はただ…

生理が遅れてるから

お酒も飲むし

何となく試しただけなんだけど


「結婚して下さい」


そう頭を下げ、手を差し出す渉に


「ありがとう…」


涙を流している私がいるわけで…


私は、ただ…


どうにかしなきゃと、ただ

必死で生きてきただけで…


まさか、こんな幸せが訪れるなんて

予想すらしてなくて…


きっと、神様はいるんだと…

試練を与えながら人間は強くなり

そのごほうびに幸せが与えられるのかもしれない。


そう、人間って…

運命はどうにでもなるんだ。