「それで二人で花嫁花婿の格好して、写真撮るんですよ」

「待ってください。
 コスプレするのは、王将戦の勝者だけでは?」

「じゃあ、田中竜王と黒木田名人が花嫁花婿でコスプレするとか」

「それだと両方勝っちゃってますけど……」

 みんなと楽しく揉めながら、夜は更けていった。

 同窓会じゃなくても、

 ホストクラブでも、

 電車でも、

 家でも――

 いつもなんとなく、隣には田中さんがいる。

 たぶん……

 ずっと一生。