「あれっ?
 機嫌いいね、安元さん」

 遅れてやってきた若林がルカにそんなことを言ってきた。

「え?
 ああ、めぐるがルカって呼んでくれたんで」

 そう言うと、若林は小首をかしげる。

「元から仲いいのに、今?」

「めぐるの中では、私は、ずっと『変な曲かける安元さん』で止まってたんじゃないですか?」

 ようやく友達のルカになれた気がしていた。

「でも、おかしなお菓子出してきたら、遠慮なく記事でぶっ叩きますけどねっ」
と言って、若林に眉をひそめられる。

「おかしなお菓子って。
 ベタするぎるよ、安元さん……」