あの絶望のタヌキの目を見たときにシンパシーを感じたが。

 あの時点で、それはもう愛だったのだろうか。

 もう一度、順番にスクリーンに映し出されるスイーツに手をあげる仕組みになっていた。

 田中は、すっと絶望のパフェで手を挙げる。

 黒木田は湖畔のスワンだった。

「はい、両者、天花めぐる先生の作品となりました」

 ほっとしたように司会が言う。

 天下の天花めぐるを呼んでおいて、他のスイーツを選ばれることの方が問題だったのだろう。

 いよいよ、めぐるが登壇する。