「お前の方は大丈夫なのか」

 打ち合わせに向かう田中と廊下を歩きながら話す。

「はい。
 イベントで出すお菓子はもう作って搬送してありますし。

 ……あとは、田中さんたちが、

 あ、いえ、田中竜王たちが私のスイーツを頼んでくれるかにかかっています」

 頼めと脅してるみたいな言い方になってしまったな……、と反省し、めぐるは言った。

「いえいえ。
 ご当地メニューも誰か頼んであげなければいけないのはわかってるんですけどね」

「黒木田が頼むんじゃないか?」

「いや、俺もめぐるんのメニューを頼む」

 そんな声が後ろからした。