「いい月夜ですね~。
 あ、バッタ」

 ふふ、と機嫌よくめぐるが笑う。

 月見てたのに、どうして、足元のでっかいバッタに気がついた?
と思いはしたが、まあ、それもめぐるらしいな、と思う。

「……そうだな」
と言いながら、月夜の道を歩いていった。