「味違うのいいじゃない。
 同じ味だと飽きるし」

「一番下の色が薄いとこ、ピスタチオなんだよ。
 他は抹茶なのに。

 抹茶だと思って食べたら、ピスタチオだったときって、ちょっとガックリ来るよね」

「……あんた、ピスタチオに謝りなさいよ」

「いや、ピスタチオはピスタチオでおいしいんだけど。
 口はもう抹茶になってるのに、ピスタチオだったら、衝撃じゃん」

「まあ、わからなくもないけど」

 カメラを下ろしたルカはハーブが飾られた三段ケーキを見ながら訊いてきた。

「このケーキ、タイトルとかあるの?」