「いいよ。
 試作品だけど」

「今のままで売れそうよ。
 すごいインスタ映えしそうな色合い。

 この片側だけ、クリームが羽毛みたいになってるのも素敵。

 ほんと、あんたって、絶妙な色の組み合わせで仕上げてくるわよね。
 しかも、見た目重視なわけでなく、味も悪くない」

 おや、珍しく褒めてくれているようだ、と思ったが、ルカは写真を撮る方に熱心で、そのあとは無言だった。

 もしかして、写真に集中していたから、無意識のうちに褒めてくれたのだろうか。

 気を抜くと褒めはじめる人、珍しいなと思いながら、めぐるは一生懸命、写真を撮ってくれているルカを眺めていた。