こいつ、ご飯はなににしようかなと思っているときは、絶望のタヌキじゃないな、と思いながら、その瞳を見つめようとしたが。

 視線が合いそうになって、慌ててそらした。

 そのとき、ふと、木製の板に毛筆で豪快に店名が書いてある焼肉屋が目に入った。

 肉がメインだが、いろんなメニューがあるらしく。

 ほぼ、居酒屋みたいな感じだ。

 店の壁にある黒板には手書きでメニューがたくさん書き殴ってあるようだ。

 ……男はこういう感じ好きだが、女子的にはどうだ?

 こいつも一応、女子だからな、と思いながら、振り返ると、めぐるは同じように目を輝かせて店内を覗いていた。

 今度こそ、視線が合う。