「なに言ってんだい。
 これだけみんなが協力したんだ。

 受からないわけないだろう」

「あっ、ありがとうございますっ」

 これでもう落ちたとは報告できないな、この子たち……とめぐるは苦笑いする。

 おばさんは、すっとこちらに手を差し出してきた。

「天花めぐるさんだね」

「は、はい」

「私、あんたのファンなんだよ」

 貫禄のあるおばさまの態度と口調に、こちらの方が、

 はあ、すみません、ありがとうございます、
とへこへこしながら、握手をしてもらう。

「なんか、めぐるんちゃんの方が三木家(みきや)さんのファンみたいだね」
と言って、健が笑っていた。