「なんのお仕事されてるんですか~?」
「健さんとお友だちなんですか?
同じ大学だったとか?」
「健さんも頭いいけど、田中さんもよさそうですもんね~」
田中は気がついたら、健の勤めるホストクラブに連れ込まれていた。
ほんとうはまだ開店前らしく、他のホストの人は来ておらず。
健はというと、何故か、カウンターに座り、スマホゲームをしている。
おい、それがやりたくて、俺を引っ張り込んだんじゃないだろうなっ?
と思いながら、女子大生二人に両脇を固められ、田中は身動きできずに、じっとしていた。
完全にホスト失格だ。
いや、ホストではないのだが……。