のちに、雄嵩はこの日の行いを反省した。
部活で充則相手に将棋を打ちながら言う。
「いやー、姉貴と田中さんがくっつけばいいなと思ってたんだけど。
ほんとうに田中さんが姉貴に気があるかもと思ったら、ビビっちゃってさ」
「なんで、本人じゃなくて、お前がビビるんだよ」
「あのような姉をすみませんとか思って。
特にネットで田中さんの激戦を見たばっかりだったし」
秋になりはじめの風が吹き渡る教室は心地よく、ぱちん、ぱちん、と将棋の駒を指す音が響いて、のどかだ。
プロのようにいい音は出せないが。
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