「ところで、お前、田中さんとなんの話したんだ?
 二人きりで」

 そんな雄嵩の言葉に、いや、二人きりを強調するな、とめぐるは思う。

「何軒も食い歩いたのなら、いろいろ話す時間あったろ」

「えーとね。
 あ、そうそう。

 そういえば、子どものころ、将棋の真似して遊んでたって話とかしたかな」

「将棋の真似……?」

「ほらよくやってたじゃん。
 将棋番組の真似。

 『20秒……1……2

  にーろくふ』とか」

「それやってみせたのか、あの天才棋士様に……」