むやみやたらと道端のものに手を合わせてはいけないと言うが、昔のご近所さんだし。

 呪いの地蔵とか言っていたおわびもかねて、拝んでおこう。

 狭いので、しゃがむのは難しかったから、立ったまま地蔵の前で手を合わせる。

 目を開けると、横で田中も合わせていた。

 なんかほっこりするな、田中さんといると、とめぐるは思う。

 いや、目はいつも、戦士みたいな目なんだが。

 きっと頭の中にいつも将棋盤があるんだな、と思いながら、
「田中さん、お礼にお昼おごりますよ」
とめぐるは言った。

「お礼?
 なんの?」