ひとりひとりに少量ずつしかないが。

 グラデーションになった澄んだ蒼い色のゼリーに金粉や銀粉が散らしてある。

 まるで天の川のようだ。

「七夕の歌を思い浮かべながら、金銀振りまいてみました」
とめぐるは言う。

 いや、今、秋っ、と思ったが、まだ順番を待っているめぐるのファンたちは近くのテーブルのおじさんたちにデザートを見せてもらうと、手を叩いて喜んだ。

「素敵ですっ。
 さすが、めぐるさんっ。

 お彼岸なのに、七夕ゼリーなんて、めぐるさんにしか出せませんよっ」

 嫌味でなく言っているようだ。
 天花めぐるのファンすごいな……。